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耳猫風信社 [book]

猫って風キライだよな。なんでだろ?
「猫 風」でたまたまググッて出会っちゃったのがこの本。
「猫耳」じゃないです。「耳猫(みみねこ)」です(笑)

長野まゆみさんとの最初の出会いは、月並みだけど、
昔々、「野ばら」が、読書感想文課題図書に選ばれた時。
うちのガッコでは、課題とはならなかったけど、
「誰だ?」と思って手にとって、 読後は、「なんてシュールな選者だ!」と衝撃受けたなー。
思えば、この頃から、不思議な物語り好き、っていう、自分の傾向がはっきりしてきたかも知れない。

ただ、ボーイズラブっぽいのも扱ったりするがちょっと苦手で、
その後は、ずーっと離れてました。

だけど、宮沢賢治な、古風でキーンと透き通っていて、
それでいて鋭くない、ほわーっとした雰囲気の文章、大好きで。
小説で「雰囲気」を纏える作家さんて、ナカナカいないよ。

そんな作家さんが、猫、描いてたら、もう読むしかないでしょー!
もう絶版になってるので、イーブックオフでゲット。
(ブックオフもネット販売してるのね)

短編集「綺羅星波止場」にも、同名の作品が採録されていますが、
おそらく?長編になる前のタマゴのようなものなのでご注意を。
(でも、他の採録作品もステキなものばかりなので、この本もオススメですが)
あと、検索してると出てくる「猫道楽」は、"そっち"の方向も描かれてるので念のため。


さて、この本。
「猫!猫!猫!」と思って、わくわくしてると、ちーっとも猫でてきません・・・。
「えー?うそー?失敗したか・・・。」と思い始めたころ、ん?猫の気配がっ。
「だけどチョイ役じゃん、風景の一部じゃん・・・・。」と傾きかけた頃、気づいちゃいます。
実は、すでに、たくさんの猫に、囲まれていることに。

筆者あとがきにもありますが、長野さん自身、猫と暮らしたことはなく、
自宅周囲に顔なじみの猫さんがいる程度。
でも、ほんと、猫のことよく見てるんだなぁ、好きなんだなぁっていうのが、よく反映されてます。

私も、猫と、こんな風に、ふっとシンクロして付き合えたら、どんなにか楽しいだろうか。
引っ越し数ヶ月のこの土地で、新しい地域猫を見つけるたびに、きゃーっとなりながら思うのでした。

作品中で上映されていた「月の船でゆく」も、本になってるみたいなので、次はコレを読もうかな。


耳猫風信社 (光文社文庫)

耳猫風信社 (光文社文庫)

  • 作者: 長野 まゆみ
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2003/03/12
  • メディア: 文庫



綺羅星波止場 (河出文庫―文芸コレクション)

綺羅星波止場 (河出文庫―文芸コレクション)

  • 作者: 長野 まゆみ
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1995/08
  • メディア: 文庫



月の船でゆく (光文社文庫)

月の船でゆく (光文社文庫)

  • 作者: 長野 まゆみ
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2003/10/10
  • メディア: 文庫



野ばら

野ばら

  • 作者: 長野 まゆみ
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 1989/07
  • メディア: 単行本



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